虐待・ネグレクトを受けたと疑われる子どもの診察は、性器・肛門だけでなく、全身を診察できる技術を有し(系統的全身診察)、子ども虐待・ネグレクト全般に関して研修を受けた医師が行う必要があります。
○なぜ、子ども虐待・ネグレクトについて知っている必要があるのでしょうか?
「性虐待被害を受けた子どもの性器・肛門は傷ついているはずだ」と誤解されがちですが、性虐待の特徴として、性器・肛門が傷ついていないことも多く、また、傷ついたとしても粘膜は治癒しやすいため、診察時に所見が見られないことが多いのです。だからといって、性被害がなかったというわけではありません。医師がこのような知識を持つことは、子どもたちの被害を見逃さないために大切であり、不安をいっぱい抱えている子どもに「あなたのからだはだいじょうぶ」と専門性を有する医師が伝えることで、子どもの心の負担を軽減してあげることができます。
○系統的全身診察とはどのようなものでしょうか?
系統的全身診察は、性器や肛門など性的な挿入が疑われる部分のみを診るものではありません。頭のてっぺんからつま先まで、身体のパーツ一つ一つを子どもに問診しながら診ていきます。そうすることによって、合併する他の虐待の評価ができますし、乳房や性器・肛門などプライベートな部分を診察される際の子どもの羞恥心や不安を低減することで、診察による二次被害を防ぐことができます。
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令和6年度 虐待被害児診察技術研修 開催日程
第1回 | 令和6年6月8日(土)・9日(日) 申込受付終了 |
第2回 | 令和6年9月21日(土)・22日(日) |
第3回 | 令和6年11月2日(土)・3日(日) |
第4回 | 令和7年1月25日(土)・26日(日) |
第5回 | 令和7年3月15日(土)・16日(日) |
※当研修をご開催いただける法人・団体様は、出張研修もいたしますので、詳細は事務局にお問い合わせください。
受講料:前半講義(1日目)のみ 4,400円(税込)/前半講義と後半講義及び実技:15,400円(税込)
会 場:子どもの権利擁護センターかながわ 2階 研修室
時 間 | 内 容 |
1日目 |
【前半講義】対象者: 子ども虐待に関わる全ての職種 「性虐待概論」および「多機関連携チーム概論」:性虐待事例への対応策や被害児からの聞き取りに関して、多機関が連携して対応する方法などについて学びます。 |
2日目 |
【後半講義と実技】対象者:医師、助産師、保健師、看護師等医療者 「診察方法概論」および実技:性虐待被害児の診察方法を講義した後、等身大の幼児のドールやシミュレーターを使って診察の実技を学びます。診察の際、子どもにどのように問診するかなど、豊富な資料と質疑を交えて具体的に研修します。 ※ 児童福祉司、警察官、検察官で参加希望の方もご参加いただけます。 |
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